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伝統的な型稽古に疑問を唱え、「掛け試し」というストリートファイトで、唐手の実
戦性を追求していった唐手家が、本部朝基である。
その旺盛な闘争心は、生地沖縄ではもはや敵なし、となり、本土へと移り、さらなるさらなる研鑽を積んでいった。
晩年になってからも、ロシア人ボクサーとの対決や、ピストン堀口とのスパーリングなど、公の場でその衰えることなき実力を実証し続けた。
実戦を重視した本部朝基であるが、その稽古方法としては、型の重要性も無視してはいなかった。特に「ナイハンチ」の型は、実戦に通じる最も基本的な稽古法として、取り組んでいたという。
本部朝基の実子にして、現在、日本空手道本部会の会長を務める本部朝正氏が、5月に勲六等瑞宝賞を受賞されることとなり、上京された。
そこで、演じていただいたのが、ナイハンチの型とその用法である。
さすがにご実子だけあって、風貌も本部朝基を思わせる本部朝正氏によるナイハンチは、もはや伝説となった本部朝基の姿を知る、絶好の演武に他ならない。
20世紀を代表する偉大なる武道家の遺産が、今、ここに甦るのだ。
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