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タイトル: | 『肝試し「恐怖百物語」』 | |
| 著者: | 山岸和彦 | ||
| 価格: | 600円(税込 630円)オンライン販売価格 | ||
| ページ数: | 196P | ||
| ファイルサイズ: | 373 Kバイト | ||
| 目 次 | |
| 第一章 | 身も心も凍りつく超怖い体験 |
| 第二章 | 悪霊に取り憑かれた、おぞましい話 |
| 第三章 | 得体の知れない何かが私を襲う |
| 第四章 | 怖くて不思議な、想像を絶する話 |
| 第五章 | 思わずゾーッとする不気味な話 |
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だって、おばあちゃんち、お化けがいるんだもん [おじさんライダー] 私は母親と兄と団地住まいでした。いまは違う団地で暮らしています。 いっしょに暮らしていたときにあった不思議な出来事です。 その団地に当時、結婚して間もない夫婦がいました。夫は公務員で二〜三年後に赤ちゃんが生まれ、とても幸せそうでした、 〈わぁー、どうしたんだろ? あの顔……〉 ある日、団地の一階で赤ちゃんを抱いてる奥さんとすれ違いました。そのとき、奥さんの顔を見て、心のなかでそう思ってしまったのです。 その顔は左側、特に目のまわりが内出血で青くあざになっていて、こめかみと頬へ広がっていました。 〈夫婦喧嘩で殴られたのかな? でもご主人は分別のある職業の方だし……〉 その夫婦とおつき合いはなかったのですが、団地のなかで私の母が一番物知りだと誰かが教えたらしく、その奥さんが母のところへ相談に来たのでした。 その相談は、なんともゾッとする話だったのです。 「どうしたの奥さん、その顔のあざは?」 母は顔を見るなり、そういいました。 奥さんが、いままでの経緯と怪我をしたときの話をしてくれました。 東京の郊外に転勤になるご主人の知り合いから、自分たちが住んでいたマンションを買わないかといわれ、買うことに決めたそうなのです。 そして、奥さんの友達といっしょに、そのマンションに掃除をしにいった帰り、JRの某駅での出来事です。 電車を降り、乗り換えのため駅ホームの階段を降りていました。四〜五段降りたところで突然、うしろから突き押され、ゴロゴロと勢いよく階段の下まで転がり落ちてしまったというのです。 顔を打ち、口のなかも三針ほど縫って、体も打撲しました。 階段を降りるとき人が多かったので、わざわざ待ってから最後に降りたのに、何者かに押されたのです。 でも、落ちた瞬間、友達がすぐにうしろを見たとき、背後には誰もいなかったというのです。でも、誰かに「グイッ」と確かに押されたのです。 このようにして奥さんは怪我をしたそうです。 都内の病院に一日入院しました。退院した数日後、その奥さんの部屋に、おつき合いのある家族の女の子がひとりで遊びにきました。 「あっ、もう帰ります」 来てすぐに帰るというので、驚いたそうです。 「えっ、来たばかりなのにもう帰るの?」 「だって、おばちゃんち、お化けがいるんだもん」 奥さんは怪訝そうに女の子の親に訊ねてみました。 「お宅の子がいま、私の家にお化けがいるといったんだけど……」 「うちの子は霊感が強いのよ」 奥さんは、それを聞いて気味が悪くなりました。 別の日に、近所の違う奥さんが来て話をしている最中に、その奥さんの顔がみるみるうちに青ざめていきました。 「どうしたの、顔青ざめているわよ?」 「話しかけないで!」 「何かあったの? どうしたの?」 「だって、あなたの左と右に、男の人が立っているんだもん」 奥さんは、そういうなり「ドタドタッ」と慌てたように足早に帰ってしまいました。 どうやら、郊外のマンションへ掃除にいったとき、霊がいっしょに憑いてきてしまったらしいのです。 駅のホームの階段の件といい、今回の件といい、怖くなりました。 このような経緯で、物知りのおばさん、すなわち私の母がいると聞いて訪ねてきたというわけでした。 母は、その話の内容にビックリすると同時に、いくら物知りとはいえ、相談されても困ってしまいました。 〈この奥さんの左と右に、いまも男の霊が両側にいるのか……〉 なによりも、そう思うと「ゾッ」としたそうです。でも、母は魔よけになることをひとつ知っていたので、それを丁寧に丁寧に教えてあげました。 それは、玄関とベランダにお塩を盛って「どうぞ、出て行ってください」といいなさいと。 でも、その奥さんはつぎの日、引越ししてしまい、その後は何の連絡もないまま現在に至っています。 その、東京郊外のマンションは八王子にあると聞きました。八王子というと、戦国時代に合戦があり、「血の川」の伝説がいまでも伝えられているところです。 奥さんの左右に立っていた男の人が、どのような格好をしていたのか気になります。 |
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