――失礼な言い方ですが、私たち産婦人科医の間では「女性をみたら妊娠と思え」と言い伝えられています。と申しますのも、未婚であるとか、性的経験がないだろうと思われるような低年齢の女性、あるいは更年期近くになって、まさか妊娠は考えられないと思われるような方でも、実は妊娠していて、「つわり」を「胃炎」と誤診したり、妊娠で大きくなった子宮を「子宮筋腫」と誤診する例がまれではないからです。
これまで順調にあった月経が止まって、いわゆる無月経になったとき、まず考えなくてはならないのは妊娠です。しかし、診察によっても、尿検査によっても妊娠が認められない場合には、ホルモンのバランスがくずれて発生してきた無月経と考えられます。
生まれてから一度も月経がないものを「原発性無月経」といい、初経があり一度は発来していた月経がなくなるのを「続発性無月経」といいます。
あなたの場合は、続発性無月経ですね。若い女性では、ご質問のような程度のものはめずらしくありません。しかし、ただ放置しておいては、子宮も萎縮して治療が難しくなりますので、婦人科を受診なさったほうがよいでしょう。受診の際は、基礎体温表をもっていくようにしましょう。
また、ダイエットによる体重減少が無月経を引き起こすことがあります。半年で2kg程度の体重減少であれば無月経とは関係ないかもしれません。しかし、身長160cmに対して41kgというのはやせすぎ*です。これ以上の食事制限は必要ないばかりか、百害あって一利なしです。バランスのよい栄養をとって、もとの体重に戻すことも、治療のひとつとして試されたほうがよいでしょう。
*体重(kg)÷〔身長(m)の2乗〕の値をBMI(body mass index)といいます。BMI=22のとき、もっとも疾病が少ないといわれています。そのため、標準体重は〔身長(m)の2乗〕×22という計算式で算出されます。身長160cmであれば、約56kgが標準体重。実際の体重がこれより±20%以上であれば、太りすぎ、あるいはやせすぎと考えられます。