――月経前緊張症といわれる状態のようです。その症状は、ご質問にもあるように、むくみや自律神経系の緊張症状、すなわち不安、興奮、不眠、精神集中ができなくなる、脱力感、乳房痛、悪心嘔吐、下痢または便秘など、さまざまです。
精神的にも抑うつや自己嫌悪感にとらわれたり、逆に闘争的、攻撃的になることもあり、奇妙な衝動や食欲がみられることもあります。
感情的なたかぶりは浮腫(むくみ)による体重増加と並行しますが、診察してもふつう特別な異常は認められません。まれには特殊な内科的病気、たとえば甲状腺機能亢進症やアルドステロン亢進症、高インスリン血症、重症の神経症、精神疾患などが隠されていることもありますが、いろいろな検査でも、たいていの場合、異常は発見されません。
軽いものまで含めると、約50%の女性になんらかの症状があり、とくに30〜40歳代で、未婚あるいはこどもを産んだことのない女性に発症しやすいといわれています。
この月経前緊張症というのは、月経が始まる前の身体的、精神的な反応が誇張されて表現されたものととらえることができます。月経が近づいてきたことに対する不安、妊娠に対する心配などが心理的背景となっているのでしょう。
治療としては、まずは特別な病気ではないことを理解していただくこと、生活に勇気をもっていただくことです。なにか新しいサークル活動とか、スポーツを始めることも効果があります。
不安状態がとれなければ精神安定剤と利尿剤、抑うつが強ければ刺激興奮剤と利尿剤が使われます。ホルモン療法としては、経口避妊薬(ピル)で排卵を抑制してみると症状が緩和されます。漢方薬の当帰芍薬散《とうきしゃくやくさん》も効果的です。