卵巣嚢腫は薬で治療できませんか?

 42歳の独身、ピアノを教えています。1年前から月経痛が強くなり、婦人科を受診したところ「卵巣嚢腫」と診断されました。仕事の都合もあり、いますぐ手術というわけにもいきません。薬で治療することはできないでしょうか?

――卵巣嚢腫は、卵巣に水や血液がたまってできる「おでき」のようなものです。あなたの場合、月経痛をともなっているので「チョコレート嚢腫」ではないかと思われます。これは子宮内膜症という病気によるもので、月経血が卵巣の中にたまってチョコレート状になり、炎症や癒着を起こします。水がたまってできた嚢腫では痛みはありませんが、血液の場合は月経痛が長引くことがあります。
 チョコレート嚢腫そのものは良性ですが、一部にがんが混在しているケースもあります。これは組織をとって病理検査しなければわかりません。42歳というと「がん年齢」に達していますし、出産経験のない人は卵巣がんになりやすいといわれています。
 嚢腫の大きさが6cm以上なら、できるだけ早く手術をするべきです。6cmに達していなかったとしても、1〜2か月に1度は診察を受けて、経過をみてもらってください。
 手術ということになっても、良性のものならこぶ状になっている嚢腫の部分だけの切除ですみますし、もう一方の卵巣が正常なら、そちらは残すという処置がとられると思います。悪性の場合は進行状況によって手術の摘出範囲は変わります。手術後も出産を望むなら、嚢腫部分だけをえぐりとり、健常な卵巣そのものは残すという方法もあります。
 チョコレート嚢腫は抗エストロゲン剤の投与で抑制できます。しかし、手術へのためらいから、ついつい薬に頼りがちになりますが、万が一がんだったらとり返しのつかないことになります。やはり、薬物療法の効きにくいチョコレート嚢腫については仕事を休んででも手術を決心すべきでしょう。


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