ここではマンション市場と戸建市場が対等な立場で混在するという他の大都市圏とは異なる独立型の市場を、10年前から現在に至るまでの市況の流れと、これまでの変遷を振り返ることにより分析します。なお、市場の分析に当たっては名古屋市を便宜上、市場が類似する4つの地区に分けて検証することとします。

(1) 都心集中型供給が進む一方で郊外への供給量は維持
郊外への供給量は維持2004年の名古屋市内の新築マンション供給は、2003年のトレンドでもあった「都心回帰」による市内中心部への大量供給が一息ついています。2003年に名古屋市内において大きな供給シェアを占めていた中心3区の供給戸数は市内全体の36.6%にあたる2,057戸でしたが、2004年は1,334戸へ減少し29.5%と大きくシェアを下げました。
1995年から2004年までの10年間の推移を見ると、中心3区では1995年の16.0%から2004年の29.5%までシェアを拡大させています。一進一退はあるものの、2000年以降は大きなシェア拡大を示しており、名古屋市においても、首都圏同様の「都心回帰」現象が見られます。また外周6区でも、1995年の42.7%から2000年の最高値44.2%を記録して以降も2004年に至るまで毎年30%前後の高い供給シェアを維持しています。
また名古屋市のマンション市場は戸建住宅と競合しており、専有面積が広いマンションが多く、郊外にも一定の供給がなされています。そのため、「都心回帰」が進む一方で「郊外への供給」も衰えを見せ難い構造となっています。
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(2)価格は横ばい、専有面積は拡大傾向に
名古屋市内の分譲価格・専有面積は、2003年と比較して価格は下落し専有面積は拡大傾向になりましたが、1995年以降10年間の動きを見ると、一戸平均価格は1999年以降ほぼ横ばいで推移していることがわかります。2003年には「都心回帰」による中心3区への供給集中があり、一戸平均価格は上昇しましたが、2004年には郊外にもまとまった供給が行われ2003年ほどの中心3区への供給集中が薄れたため、平均価格は3,291万円と前年比3.7%下落しました。ただし価格水準そのものは3200万円前後で安定しており、ほぼ横ばいで推移していると言えます。
また、名古屋市内の平均専有面積は1995年以降ほぼ一貫して拡大を続けてきました。2004年は84.78m2と2003年に比べて1.0%僅かではあるが拡大しました。名古屋市では、東京都とは異なり中心部においてもワンルームマンションや都市型コンパクトマンションのような狭めのマンションの供給が少なく、中心3区の専有面積が西部4区よりも大きくなっています。地価が依然下落を続けているため、マンションのグロスの金額を維持するために専有面積を拡大させる動きが続いており、このことが専有面積拡大の要因となっています。
![]() 名古屋の平均坪単価推移
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(1)名古屋市中心3区(中区・東区・千種区)
1995年以降、ほぼ1000戸を超える供給で推移してきましたが、2003年は2057戸と特に供給が加速しています。これは従来から住宅地として人気の高いエリアであるとともに、社宅も多く存在していたため企業のリストラによって放出された跡地に供給が進んだ結果です。平均価格は、1995年以降10年間3,500万円から4,000万円の間でほぼ横ばいで推移しています。平均専有面積は中心部にありながら広さを維持しているのが特徴で、1997年以降80m2を超えています。2004年も84.35m2と前年比1.6%拡大しています。
(2)名古屋市東部4区(名東区・天白区・昭和区・瑞穂区)
供給戸数は大幅な増減もなく堅調に推移しています。平均価格は2001年より上昇傾向を示しており、2004年は3,684万円と前年比4.8%上昇し、中心3区を超えて4地域内で最も高い価格となっています。平均専有面積は2年連続の下落で85.88m2と前年比1.2%縮小したが、依然名古屋市4地域の中で最も専有面積が広いです。
(3)西部3区(中村区・中川区・西区)
供給戸数は毎年800戸程度ですが、2004年は583戸とやや減少しました。西部3区は名古屋市の中で価格が安く、平均専有面積も比較的狭い(しかし80m2を超える水準ではある)マンションが供給される地域です。平均価格は2001年より若干上昇する傾向にあり、2004年は2,880万円で前年比0.8%上昇しました。平均専有面積は1995年以降拡大傾向にありましたが、2003年に縮小し2004年は82.77m2と再び拡大、ほぼ2002年の水準に戻しています。
(4)外周6区(北区・守山区・緑区・港区・南区・熱田区)
供給戸数は2003年に1382戸と最近10年間で最低水準だったが、2004年は1433戸にやや増加しています。平均価格は西部3区とほぼ同じ2,800万円を目処に推移しているが、平均専有面積は1999年以降一貫して拡大傾向にあります。市内においては西部3区とほぼ同様の低い価格水準で、比較的面積の広い(85m2前後の)マンションが供給されている、最もリーズナブルなマンションが購入可能な地域です。
(1)1960年代 公団・公社が市場を牽引
(2)1970年代 マンション大衆化による民間業者の参入
(3)1980年代 地元業者が最も健闘した年代
(4)1990年代 大手ディベロッパー台頭の中、宝交通が唯一健闘
(5)2000年〜現在 全国展開の大手ディベロッパーが市場を席捲
(1)1960年代 大規模マンションが市場を牽引
(2)1970年代 千種区、名東区を中心に大規模マンションが続々登場
(3)1980年代 天白区を中心に分譲ラッシュ、そしてバブル時代へ…
(4)1990年代 守山区、港区、北区など郊外で大量供給
(5)2000年〜現在 都心回帰により再び中心区部での分譲盛ん
名古屋市年代別マンション供給推移
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バブル時代、地価高騰により郊外へと供給が拡大していき、市内では3000戸台の供給で推移します。バブル崩壊以降は一転地価が下落し、一次取得者を対象とした低価格物件の大量供給が始まり、1995年以降6000戸を超える供給が為される年もあるなど、ハイペースで拡大し続け現在に至っています。
![]() ※竣工年不明の物件は集計対象外とした |
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名古屋市内のマンションストック数は2004年12月末時点で4761棟、156,175戸です。そのうち築30年を経過しているマンション(1974年12月末以前に竣工した)の総戸数は475棟、17,706戸に達します。つまり総ストック数における約9戸に1戸が築30年以上のマンションということです。
しかし、僅か5年後に築30年を超えるマンション(1979年12月末以前に竣工した)の数は一気に倍以上の954棟、34,536戸となり、その戸数の割合は22.1%に跳ね上がります。5年後には名古屋市のマンションストックの約5戸に1戸は築30年を超えることになります。
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