第十三のアルカナ『吊るされた男』

大変長らくお待たせを致しました。。。奇しくも今回はこの 待つこと、忍耐、苦難の象徴であるアルカナを物語らせて頂く番ですね。

昔から絵柄は、男性が木に逆さ釣りになっている姿が典型的です。 しかし、複写や模写によるデッキが出回ってゆく中では「ミス・プリント」から下 記のような「吊るされた男」も。。。なんだか踊るバレリーナのようですよね。

パリ国立図書館の版画室には初期の頃の16枚のカードが保存されており、その12枚 目のカードには、木に吊るし上げにされた男性が、両手で袋入りの金貨を手放さない ようしっかり握っている光景が描かれていたりしまする。。
吊るされた男の衣服のポケットから、コインがこぼれ落ちてゆく様は、初期の古典 的ないくつかのデッキで見られるものです。

トリックが売り物の「道化師=アルカナ0番の愚者」が、放浪の旅を経て、いつし か王侯貴族の邸宅で、あるいは道行く見物人たちから小金を稼ぐ「奇術師=アルカナ1 番の魔術師」となり、果ては「詐欺師」としてペテンを働くようになって、民衆から 吊るし上げになってしまう。。というストーリーを、大アルカナ22枚から仕立ててみてはいかがでしょうかね?

そんなふうにして見てゆきますと、アルカナ・ストーリーの主人公は「愚者」と「魔術師」。 彼らの様々な経験、出会いと試練、戦い、時には実りや慈悲を得ることもありま しょう。一連の成長過程を経て、究極のこの「試練」12番のアルカナの後に、13番 の「刷新、死と再生」のアルカナへと移行します。


★12番と13番の特異性

数秘的に見ますと、6と7との関係性に等しいものがございます12と13。

旧約聖書において、創世主は6日間で世界を創造し7日目を安息日としました。 6か7かを、一単位とする精神世界の領域というのは非常に多い。 6を包括する7、そして6から7が完全に独立していることに注目しましょう。

新約聖書においては、イエス・キリストには12人の使徒がおります。選ばれた弟 子、特別な任務を受けた大使たちとイエス・キリストとで13人の一行が存在した ことになります。

ウェイト版の作者アーサー・E・ウェイトはオカルティストでも、トーラーやユダ ヤの律法について秀でているカバラの研究家でもあります。それらが聖書の原典であ ることは周知のことであり、12人の使徒と12番のアルカナの相関関係を一連の22 枚のアルカナにおいて、このような形で暗示したとしても不思議はないでしょう。
このカードは、来る13番の序章。
ゼロに戻って仕切りなおす時が、タロット13番「Death」。
12番は、言って見れば臨界状態、かなり Critical point なのです。
また、22枚のアルカナの前半と後半を分ける段階という点でも、至極、重要なポイン ト。
「変化と意識改革、そして刷新」。
刷新を象徴する「Death」カードの象意を「誤解なく」つかんでいただくために、 「吊るされた男」の段階が必要になってきます。

何のために、私達が死して生まれ変わる必要があるのか。
生まれ変わりの重要性について、また、生まれ変ることとは?
私達は何度となく象徴的に死に、また生まれ変って新しい人生のスタートを切って いるはず。これがただの直線上の動きになることを、22枚のアルカナは暗示しているのではご ざいません。
螺旋階段のような上昇を果たすべく、精巧に描かれているのが本来のアルカナなの です。
この12番と後に続く13番のアルカナに、 いかに壮絶な宇宙論が描かれていることか、いつかお分り頂ければ幸いです。
私は自分のオフィスサイトを「13th.Creaion」と命名した所以です。。。

★キーワードは「修行」!

さて、「吊るされた男」の極意を語って参りましょう。
この木から吊るされた人は、「殉教者」なのです。

忍耐より試練より、「修行」というのがふさわしいこのカード。
修行の定義を検索してみました。以下、「goo」の検索サービスより 

(1)学問や技芸などに励み、それをみがくこと。 「―を積む」「武者―」

(2)〔仏〕 戒律を守ったり、悟りを開くために特定の宗教的行為を行なって、仏の 教えを実践すること。仏道に励むこと。

(3)生理的欲求を禁じて精神および肉体を訓練することにより、精神の浄化や神的 存在との合一を得ようとする宗教的行為。

三省堂提供「大辞林 第二版」より

「吊るされた男」の苦難は。。
例えば、会社でおつぼねさんからのイジメにあうとしましょう。
会社って言えば生活の糧を得るためにお勤めしているわけですから、 イジメにあって、いやです、ハイ辞めます、というわけには参りませんね。 家族を養っている場合もあるでしょうし、 身を粉にして一家のために職務に身を投じる、周囲の求めに応じて、 嫌だが強いて受け入れ、身をゆだね、時には自己犠牲を払うカード。

例えば、愛がある男女二人が、環境的な問題、お互いの家や仕事の問題に 今にも引き裂かれそうになっている時。。好きなだけでは一緒になれないと悩み、 泣く泣く何かを放棄する場合などもあるでしょう。

人間が頭を下にして、高い木に足から吊るされているわけですから、これは苦しい ですね。
魚に陸で暮らせと言っても、それは無理な話。
このカードが出た時には、あなたは相当、苦しむことになるでしょう。
辞めたい、辛い、放り出したい、でもそれがままならない、 だって、生活がかかっているんだもの。。悲しむ人が出てくるもの。。
だって、彼のことが好きなんだもの。。。
様々な理由、しがらみ、事情があなたを身動きできない逆さ釣り状態にしてしまい ます。

★カードからのメッセージは「しなやかであれ」。

憤りにも近いやるせない悶々とした感情が沸き起こります。 無理難題に直面して−でもそこで辞めたらアウト。
ウェイト版「吊るされた男」

ウェイト版の12番を御覧下さい。吊るされた男の頭部が輝いています。
それは、内的成長を果たし、神の誉を受けていることの象徴です。

彼が吊されている木をよく見れば、芽吹いていることがわかるでしょう。 どんな辛さであれ、それを試練と苦行と思い、自らをひと回り成長させ、 耐え難い状況をそのまま受け入れてしまうという行為によって何かが生かされるの です。
この苦しみの中から、あなたは何かを得られるのでしょう。 それが何なのかも重要。

頭部の輝きが一体何なのか、芽吹いている緑の葉は一体何なのか? それを考え、あなたがこの辛さに耐えることの意味をあなた自身に説いてあげて下 さい。
悲観して事態から逃げるのではなく、強いて特別な打開策を求めるのでもなく、 その苦しみの実体というものを色々な観点から見つめてみたり、 物事の捕らえ方の意識を変えてみたりして、 これまでのあなたと違った柔らかさ、柔軟性が出てきた時には、 この苦しみから抜け出せていることでしょう。 あなたが生きる上で遭遇する苦難との関係についての「宇宙の法則」なのです。

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アルカナ第13枚目のアルカナ
タイトル「吊るされた男」
英語The Hanged Man
フランス語Le Pendu
イタリア語L'A peso
カードの象意固定概念や自我を捨て、外界の求めに従う。
宇宙の法則や、人間を超越した存在を認識する。
キーワード 忍耐や試練
妥協する時
実りある努力
奉仕精神
相手や周囲の要求に応じる
柔軟性や適応能力を活かす
真の勇気を持つ

観点を変える
放棄、断念する
待つ、耐える
我慢できなくなる
無駄な努力
不安定な状態
幻想に生きる
狭い心や偏見
固定概念にとらわれる
視点が間違っている