第十四のアルカナ『死に神』

長らく更新できずにおり、心からお詫び申し上げまする。。
タロット愛好家のあなたは、きっと首を長くして待っていて下さったことでしょう。 タロットマスター・ナディアここに参上〜〜笑

さて、「死に神」の札を見れば、対面鑑定のお客さんなどは内心ギョッとしているのを隠しきれないようですね。「だ、大丈夫です、覚悟していますから、本当のことを言って下さい!!!」なんて、蒼白した表情を向けられてしまうことも多々。

「死に神」の絵札には、死を司る黄泉の国の使者、神、骸骨などが描かれ、そやつが鎌を手にしているという光景が描かれているのが常。
代表的な絵柄には、「1JJ Swiss Tarot」の「死に神」。某映画のワンシーンに登場したことがあり、これはお馴染みでしょう。


「1JJ Swiss Tarot」の「死に神」

一般には、骸骨=おぞましい、不気味、鎌=恐怖、痛み、流血という連想から、 象徴学というものに長けていない人なんかは、不吉な解釈をしてしまうんでしょうね。
もう「大凶」カードになっちゃう、いやちょっと待って下さいね、タロットは「象徴」を解読するところが醍醐味なのですから。

さて、「死」「骸骨」について、象徴事典を開いてみました。

『ヒンズー教では、死は踊り手によって、時には美しい娘によって象徴される。シヴァ神は「舞踏と死の神」である』

『骨とは、不壊の生命原理、本質なるもの。復活と同時に、死すべき生命やはかなさをもあらわす。骨を壊せば復活を妨げることができるとしばしば考えられている』(以上、世界シンボル事典、三省堂)

『骸骨 死の擬人像である骸骨は、大鎌か、素早く過ぎ去る時間の暗示である砂時計をもつ姿でよく表される』(サイン・シンボル事典/三省堂)

「骸骨、白い骨」から受けるイメージは、本当の本当の姿というのでしょうか。 どんなに着飾っても、また太っていようが痩せていようが、肌の色がどうであっても、人間の姿とはこういうものなんだ、という真理を突きつけているような、そんなものが「骸骨」に象徴されているように見えはしないでしょうかね。

それが「刈り手」の象徴=「鎌」を持っている姿は、なんというか、「あるがまま、なすがままに終わっていく」という印象ですね。

まさしく、寿命とか潮時とか、うーん、場合によっては悲しい、空しい、切ない、けれども・・・忌み嫌うようなイメージじゃあないんですよね。 刈る人がいなければ、作物も朽ちて落ちるだけ。そういう意味のある「死」が描かれているのだとも思うし。

「死に神」の札とは、実際的な「肉体的な死」ではなく「象徴的な死」。それはつまり、仕切り直し、刷新、新装開店前の店じまい、リニューアル作業に匹敵すると解釈できるでしょう。

ウェイト版の白馬に乗った「Death」はまた逸品ですね。そう、ウェイト博士にとって死に神の馬は、真っ白い白馬でなければなりませんでした。 白馬の王子様ってのがあるように、この馬に乗ったDeathは、ある意味、救世主よ。


ウェイト版の「死に神」

古いタイプのエジプト風のカードには、死者の心臓が取り出され計量された後、その遺体をミイラ化する作業をしている様が描かれています。 このカードは、「生と死、変容、始まりと終り」の象徴です。

生まれて死ぬという生命の根元を司るエネルギーが描かれているわけです。これはもう大いなるエネルギーの象徴なのです。 例えば、タロットを展開して、あなたを示す位置にこの札が出るのなら、 あなたはこれを幸運に思うべきです。それだけの刷新力をあなたが持っているという証なのですから。 白か黒か、ことをハッキリさせるカギをあなたが握っているのです。

恋においても仕事においても、あなたがサックリと鎌を振り下ろして吉。

人間、辞めたり、別れたり、終わらせるのは何かと躊躇が伴うものでしょうが、 でも、何事にも「潮時」というものがある。永遠に続くものなんて、ありはしません。

良いタイミングで潮が引いてゆくように、例えば静かに舞台を立ち去ることができるスター、俳優は、 次に新しいステージが待っていることをどこかで知っているのでしょう。大物さながらの潔さがそこに見られるのです。

太陽が昇りまた沈んでゆくよね。「死に神」では、いったん死するわけですが、ずっと沈みっぱなしという物事はない。 没するということは、生きとし生けるものの一連のサイクルであって、むしろ当たり前のように受け入れて欲しいと思います。

また、昇って輝ける時が来るのか?心配になることもあるでしょうが、その迷い、不安を抱えたままそこに停滞していることが、 もっともな停滞の原因になっていることに、人はやがて気づくことでしょう・・・ 中途半端でどっちづかずのモノなら、捨ててしまったほうが良い時があります。 占術は、そういう人生の重要な波を読み取るための道具ですから、 占術ファンなら、安心して喜んで「死に神」の札に未来を託していただきたいものです。白黒ハッキリさせて、次へ進んでいただきたい。

エジプシャン・タロット(古いタイプのエジプト風のカード)には、ジャッカルの仮面をかぶった神官かアヌビス神そのものが描かれています。 アヌビス神は、死を司る冥府の神。エジプト人は死後、アヌビス神の魂の裁量を受け、 有罪となった死者はその場で怪獣により魂もろとも貪り食われてしまいます。


アヌビス神

生か死か、白か黒か、ふたつにひとつの道しかないという真剣勝負で生きてきた、 そんな太古の人々の精神性があなたに真剣勝負の人生を促します。

面白半分のエンタメ占いも良いけれど、この札が出た時には、ひとつシビアになっていただければ幸いです。 ピシッと背筋を正して「悔いのない人生を」と思います。

素直に愛が伝えられない、意地を張ってしまうという恋のご相談も多いけれど、あなたも相手も明日の命なんてわからないんですから。 その人と会っている時、一瞬一瞬を大切にして下さいね。仕事にも恋にも、命を賭けてみて下さい。 そういう意識が本当の刷新力というもの。

「鎌」が出ているからって、やたらに切ったはったと、ちゃんちゃんばらばらやることではなく、生きている今この瞬間を大切に!


アルカナ第14枚目のアルカナ
タイトル「死に神」
英語DEATH
フランス語La Mort
イタリア語Il Morte
カードの象意 死と再生
生まれ変わり・蘇り・立ち直り
より優れた新しいものへの変成
キーワード 仕切直し・方向転換
ゼロに戻す
いったん終える、結末
新たなスタート
白黒がハッキリつく
冷静沈着な行動
感情を抑える
離れる・終わる・切れる
急激な変化
強い縁
生死に関わること
精神医学、心理学
再スタートが切れない
グズグズする
同じことを繰り返す
行き詰まり