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| 第三のアルカナ『女教皇』 |
今回は三枚目、
ローマ数字を順当に昇りますとUが振られておりまするアルカナ
「女教皇」について。
ところで、「アルカナ」って何のことだか、
みなさんはご存知でしょうか?
タロットカードは、総数78枚でワン・セット。
内、22枚がメジャーアルカナ「Major Arcana」と表記されます。
日本語にして「大きなアルカナ、主要なアルカナ」と呼ばれる「象意」札。
他の56枚はマイナー・アルカナ「Minor Arcana」、
minorは、音楽用語で「マイナー・キー」と言えば音律の「短調」のことだったり、
メジャー・デビューする前は、「マイナーな存在」、とか言う使われ方をしていますよね。
大アルカナ、主要アルカナに対して、「その補佐をする札、補足的な札」と、ここでは表現しておくべき。
タロットカードとは、「神秘の札」であることがお分かりでしょう。
タロットカード修得においては、主要なアルカナ22枚から身に付けていく、のは常道。
プロ占術家の中にも、占断に使用するのは主要アルカナ22枚のみ、と言う方も多い昨今です。
★ミステリアスなアルカナ
さて、アルカナとは「Arcana」と表記いたしますが、
英語辞典を引きますと、
arcana:秘密の、神秘的、深遠な、難解な(esoteric)
arcanumの「複数形」で、「神秘、秘密」「秘法」「秘薬、霊薬」
(三省堂「カレッジクラウン」より)をも現すことば。
語源略譜からはラテン語からの派生であることが分かります。
さてさてお分かり頂けたことでしょう。
大アルカナ、小アルカナ、いずれも合わせて
「タロットカードって何?」と問われた時にお応えすべくは、
これはまさしく「神秘の札」、
「秘法が封じ込められた札」なのであります!
その秘法とは?
例えば今回の「女教皇」、この第三のアルカナ、
ここに秘められているのは、「エジプト神イシスの秘法」。
ウェイト版の「High Priestess」をご覧下さい。
ウェイト版/1910年
描かれている女性の頭部には冠、
これは、「ヘッド・ドレス:Head-dress」と呼ばれる
エジプトの女神像の頭部にも見られるものです。
エジプトの女神像
古代エジプトに遡れば、「女神イシス」の像に見られるもの。
円盤のような円形の部分は、その当時「昼間の太陽」として
崇めらた「月」、満月の状態ですね。
両サイドの二本の角は三日月、雌牛の角からできていたとされています。
古代人は、「神に接近する方法」として「儀式」を司ってきました。
例えば、「戦いに挑む前に勝利を祈願する」ために、
「動物神」に接近しようと、牛や犬などの頭飾りをかぶって、
「自らの身体に動物霊を乗り移らせる」儀式を執り行いました。
日本でも、お相撲さんがはっけよいと言う時に四つん這いになりますね。
また、戦国時代の武将が、角を有した兜を頭にかぶります。
所変われど、似たような儀礼、習慣が発生していたことが分かります。
★「女神イシス崇拝」は、帝政ローマで流行した「密儀宗教」のひとつです。
「密儀宗教」とは、
非公開の儀礼=「秘密の儀式」に参加することによって、
個人の心霊が救われる、とする宗教。
多くは東方起源。代表的なものに、
エジプト起源の「セラピス崇拝」
ペルシア起源の「ミトラ崇拝」
などがあるが、いずれも時には迫害され、時には皇帝までもが帰依したと言われます。
脅威の宗派―キリスト教の進出で消滅してしまいます。
(高等学校世界史/清水書院)
Mystery「ミステリー」と言うことばは今日周辺でもよく聞かれますが、
これも神秘、不可思議を表します。
カトリックのミサや宗教・思想的な秘伝、奥義を表す場合もあり、
こちらは、ギリシア語の「口を閉じる:myeinミュエイン)」に由来するもの。
「密儀」に参入したものには厳しい秘密墨守が課せられたからである。
(世界の大秘術講和/自由国民社/大沼忠弘、山内雅夫、有田忠郎著)
※ちなみに「秘技参入前」の姿が「愚者」晴れて参入した後の姿が「魔術師」とされています。
外的知識が増大するほど、それをコントロールする「内なる智恵」が
必要になってくる。イシス=ソフィアの「密儀」こそが現代を生き抜く真の智恵、
その智恵を象徴しているのがタロットカード「女教皇」のアルカナなのです。
★「月の女神イシス」
月は、古代人にとって闇を照らす太陽でした。暗がりの恐怖や不自由さをもってして、光の輝きを尊ぶに至り、月を神聖視し崇めていたことは太陰暦の使用にも現れています。
西洋占星術の世界でも、月は、女性性、感受性、母性、生理などを司る星として、扱われています。女性原理が凝縮されたカードであることが分かります。
エジプトの万神殿の中で、最高神と崇められているのは「太陽神オシリス」。
弟である「砂漠の神セト」によって、事ある毎に王位剥奪、命の危機にさらされます。
その度、オシリスを救い、その命を取り留めてきたのが、妻である「女神イシス」でした。
女神イシスは、ギリシアにおいて「ソフィア」と称された智恵の象徴。
古来より、女性性、女性の力は、魔術的な諸力を担うとされてきました。
女神イシスの智恵は「内助の功」「女性の第六感」などといったことばに示されるものです。
(「タロット解釈実践事典」国書刊行会より)
さて、非常に重圧で難解とも言える「女教皇」。
「タロットの秘儀」参入者に最初の関門、登竜門。
22枚すべて網羅する過程で、このアルカナについての洞察が得られることでしょう。
| アルカナ | 第三のアルカナ |
| タイトル | 「女教皇」 |
| 英語 | The High Priestess |
| フランス語 | La Papesse |
| イタリア語 | La Papessa |
| カードの象意 | 対立原理の均衡、二元論的な対立物の相互作用=緊張した状態
物静かな状態、女性原理、内なる智恵、洞察力、神秘性 |
| キーワード |
洞察・判断力
無意識・直感
隠れたものが見える
潜在的な力
思慮分別
本能的な知恵
冷静さ
静かな状態
品位がある、清楚
高貴・プライド
独断と偏見
融通が利かない
批判的、閉鎖的
冷淡
思い込み
陰鬱
情緒不安定
ヒステリック
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