リックメソッドってなに?



Rick's Methodヒアリングを充分に行ってこなかった

 たとえば私たちはいま何不自由なく日本語をマスターしていますが、生まれたときからテキストを買って日本語を学習してきた訳ではありません。幼い頃を思い出してみてください。そう、私たちは日常生活の中での家族の話し言葉やテレビから流れてくる言葉から、日本語を習得してきたハズです。つまり、日本語に限らず言語習得の要は耳によるヒアリングなのです。
 しかし、私たちが受けた学校の英語の授業では、ほとんどの場合テキストを使ったリーディング中心の学習になってしまっており、これでは肝心な "脳に英語の音声を認識する神経回路" が形成されません。「ネイティブの英語を耳にしても何を言っているのかさっぱり」と嘆く日本人が大半ですが、それはただ1点、ヒアリングを充分に行ってこなかったから。たったそれだけなのです。
 また、耳で直に英語の音声を修得しなければ、当然きれいに発音することもできません。もしあなたが自分の英語の発音に自信を持てないようであれば、それはあなた自身の英語の習得にとって大きなブレーキとなっているのです。

英語を日本語に翻訳して学習してきた

 日本の学校における英語学習は、英語を日本語に翻訳することが中心になっています。そのため、私たちは英語を理解するのに、いちいちその英語を日本語に翻訳しないと、その英語の意味を理解することができません。また、英語を話すのに一度日本語で考えたことを英語に翻訳してからでないと、その英語を話せなくなってしまっています。これを当然のことと受け止めておられる方は多いと思いますが、実はこれは大変不自然なことであり、このことが日本人の英語学習能力を低下させてしまっている元凶なのです。
 私たち日本人は、日本語を日本語のままで理解しています。アメリカ人は英語を英語のままで理解しています。当然のことです。つまり、真に英語をマスターするためには、英語を日本語にして理解するのでなく、英語を英語のままで考え、理解できるようにならなければならないのです。ですから、英語を日本語に対応させながら学習するという非効率的な方法をとり続けるかぎり、言語をつかさどる神経回路が複雑になるばかりで、英語の習得は永遠に不可能なのです。

英語学習で充分に右脳を活用してこなかった

 私たちは英単語を暗記するとき、大変な苦痛を感じます。1000語の英単語を暗記するだけでも容易でありません。ましてや英語をある程度使いこなせるようになるためには、1万語は覚えなければなりません。そう考えると、英単語を覚えること自体がほぼ絶望的な気分に。
 結局、デフォルトであふれんばかりに記憶力のある優秀なほんの一握りの人にしか英語はマスターできないのではないか? と思えてきてしまい、それが原因で英語の習得を断念した人も少なくないでしょう。
 ところが、英単語をなかなか覚えられないことの原因は、実は皆さんの記憶力とはあまり関係なく、ただ単に右脳を活用せず左脳偏重の誤った方法で英単語を覚えてきたからに過ぎないのです(これに関しては、別項の リックメソッド英単語記憶法 をご覧ください)。





英単語を確実に覚えるための3フェーズの学習

 従来の英語学習では、英単語の発音を英語の文章の中で覚えさせようとします。ですから、単語だけを取り出して徹底的に発音させるということをしません。しかしそれは順序が逆です。文章を構成するのは単語です。ですから、単語一つ一つを正確に発音することができなければなりません。赤ん坊に母親が言葉を教えるときのことを考えてみてください。単語をていねいに、はっきりと発音して言葉を教えていきます。まず英単語が正確に発音できるようになって、初めて文章としての英語を流暢に発音することができるのです。
 また、私達は英単語を覚えるに当たり、対訳の日本語の意味を覚えることにエネルギーを集中します。しかしこれも主客転倒で、英語の発音・音声を本当に覚えてしまえば、その意味を覚えてしまうのはいたって簡単なのです。英単語の発音を曖昧にして、英語の意味だけを覚えようとするため記憶が曖昧になり、なかなか英単語が覚えられないということになってしまうのです。

  (1) そこでリックメソッドでは、まず英単語の発音を徹底的に覚えていただきます。目で見て、耳で英単語を聴き、同じように発音できる様になるまで何回もくり返しましょう。
この学習を終了することで、その英単語を50%マスターしたことになります。
  (2) その次に、日本語まじりの英単語を覚えていただきます。これにより右脳で英単語の意味がイメージ化され、記憶力が飛躍的に向上します。「英単語をこんなに簡単に覚える方法があったのか」 と驚かれるに違いありません。「英単語の意味を覚える以上にその発音を覚えることが重要」といったことの意味もここにつながります。また、この方法なら英単語を英単語のまま理解し覚えることができ、その延長線上にある英語の文章も日本語に訳さずに、そのままでの理解が可能になります。
この学習を終了することで、その英単語を80%マスターしたことになります。
  (3) 最後の締めくくりとして、日本語の意味を英単語に翻訳していただきます。日本語を即英単語に変換できなければ、英単語を英語として紡ぐことは不可能だからです。つまり、この学習は英会話の基本訓練にもなります。 この学習を終了することで、その英単語を100%マスターしたことになります。
   以上がリックメソッド英単語学習の流れです。結果を焦らず、コツコツとこのメソッドに沿って英語を学習していけば、知らぬ 間に英語の実力がついていることを実感できるでしょう。


○右脳を活用しない従来の記憶法について

右脳と左脳のはたらき

 まず、右脳と左脳のはたらきについて考えてみますと、大脳は右脳と左脳の二つに分かれており、脳梁(のうりょう)と呼ばれるブリッジによって結ばれ、情報が伝達されるしくみになっています。右脳は「イメージ脳」、左脳は「言語脳」といわれ、両方の脳がお互いの役割を分担し、かつ協力しながら脳全体の作業をつかさどっています。

右脳 ・・・ 非言語的 知識は、イメージを通して獲得される
  全体的 問題を全体的に見て、飛躍的な洞察を行う
  想像的 空想や想像をつかさどる
  芸術的 絵画や音楽を鑑賞する
左脳 ・・・ 言語的 読んだり、書いたり、話したりする能力をつかさどる
  分析的 理性的、分析的な側面がある
  直線的 情報は一つずつ順番に処理される
  数学的 数字や記号は左脳で理解される

 

言葉の性質について

 次に、言葉の性質について考えてみますと、言葉は基本的に二つの要素から成り立っています。一つは文字情報(表音・表記)の部分、もう一つはイメージ情報の部分で、この二つは表裏一体の関係にあります。
 具体的に、「定規」という言葉を例にとって図式化すると以下のようになります。


言葉と脳の関係

 では、言葉と脳の関わりはどのようになるのでしょうか。下記の図式のようにイメージ情報は右脳に、文字情報は左脳に分けられて、それぞれの脳に記憶されます。


右脳のはたらきを疎外したテスト

 ではここで、右脳を使わない記憶がいかに大変であるかを知るテストをしてみたいと思います。
右脳のはたらきを抑えるには、イメージの伴わない文字列を覚えることによって実現できます。イメージの伴わない文字列としては、 無意味な言葉 ・ ランダムな数字 などが上げられます。まず、以下の二つの文字列を記憶してみてください。

・言葉 「とすて のくおき たし いがそ をきらたは のうのう」

・数字 「128341 2403 161610 45102 786」

 いかがですか。イメージの伴わない左脳だけの記憶が、いかに大変かお分かりいただけたと思います。 ここで上記の言葉にイメージが加わると、記憶のしやすさ(=記憶力)は飛躍的に向上します。

言葉を逆から読むと…
「うのうの はたらきを そがい した きおくの てすと」

数字に語呂を合わせてみると…
「 1 2 8 3 4 1  2 4 0 3  1 6 1 6 1 0  4 5 1 0 2  7 8 6
 ひとにやさしい  にしおさん  いろいろと  しごとに   なやむ」


従来の英単語の記憶

 それでは、私たちの従来の英単語の記憶が、どうして右脳のはたらきを疎外してきたのでしょうか。それを分析してみると、以下のようになります。

1. 「ruler」という英単語の文字を認識
2. 対訳の「定規」という日本語と照合
3. ruler・定規 ruler・定規 ruler・定規
ruler・定規 ruler・定規 ruler・定規
ruler・定規 ruler・定規 ruler・定規 


「ruler」=「定規」が脳に定着するまで記憶の作業を反復する

これを図式化すると次のようになります。

 上図の様に、これだと左脳内において表音表記の文字だけで記憶の作業が反復されるのみで、イメージが出力されません。つまり、右脳のはたらきがフリーズ状態のまま記憶の作業が繰り返されていることになります。左脳だけの記憶がいかに大変かは、先ほどのテストで実証済みです。従ってこのような方法で記憶することは非常に困難がつきまとい、また成果も上がりません。
 では、どうすればいいのでしょうか。


リックメソッドによる記憶法

まずは、図式をご覧ください。

 私たちはすでに膨大な量の日本語を知っています。それはすなわち、膨大な量の概念化されたイメージが右脳に蓄積されていることを意味します。ここで、そのイメージを右脳から出力して、英単語の文字と合わせてみると…?
 さぁ、それが実現するとどうなるのか。次の文章をお読みください。

真直ぐに ruler を使って線を引く

 この文章を読むと、前後の文章から ruler が何であるかイメージできます。つまり、前後の日本語をヒントに右脳から定規のイメージが出力されるのです。そして、そのイメージが死なないうちに ruler と結合させるのです。右脳のイメージを活用することで記憶力が飛躍的に向上するという事実は、先ほどのテストで実証済みです。

理解を深めるためにもう少し例文をお読みください。

タンクに fuel を供給する
銀行で account を開設する
玄関をほうきで sweep する
法律で売春を prohibit する
法を無視した illegal な取り引き

 いかがですか? もし例文から英単語のイメージが浮かんできたのなら、それは右脳に眠っているイメージが呼び起こされたからなのです。
 また、この方法だと ruler を "定規" と理解しなくても ruler をそのまま英語で理解することが可能になります。英語を日本語に翻訳して理解するという私たちの悪い習慣から、ようやく離脱することができるのです!
 実は、英語を英語のまま理解することを、私たち日本人はいままでも無意識に行ってきました。以下をご覧ください。

ビギナー
エンターテーメント
ゲーム
トレンド
ニーズ
パーフェクト
オペレーター
マナー
リーダー
レギュラー
セオリー
オピニオン etc...

 説明するまでもないですが、これらは外来語であり、いちいち日本語の対訳と合わせながら覚えたわけではありません。ビギナーをビギナーとして、トレンドをトレンドとして、日常生活で意識することなく自然に覚えたものばかりです。

リックメソッドの真骨頂、それは 「日本語を介した英語そのものの日常化」 なのです。