
豊田行二 情事を盗む
目 次
情事を盗む
淫声くらべ
情事の交換
絶頂スワップ
三重奏の夜
絶頂テレホン
華麗なる肉交
四重淫交
乱悦五対一
性学スワップ
トリプルセックス
性乱夫婦交換(スワッピング)
(C)Koji Toyoda
ご注意
本作品の全部または一部を無断で複製することを禁じます。
個人利用の目的以外で複製しますと著作権法違反で処罰されます。
情事を盗む
1
空には中秋の名月がかかっていた。空気は澄みきっている。しかし、外山誠一の足取りは重かった。
金曜日の夜は夫婦が睦まじく愛を語り合うことになっている。自宅では、妻の理香が、入浴をすませ、薄物のピンクのネグリジェを素肌にまとい、外山の帰りを今や遅し、と待っているはずである。
理香は外山より三歳下の三十二歳。ようやく、女の歓びをおぼえ、毎晩のように求めてくる。
だが、結婚して八年にもなると、外山のほうは理香の体に飽きがきて、そうそう求めに応じるわけにはいかない。
あまりエネルギーを消費すると、仕事に差し支えるし、出世のブレーキになりかねない……。そう言って、愛妻デーは金曜の夜だけ、ということにしている。
「ねえ、三十五歳で週一回というのは少なすぎるわよ。どこかおかしいのじゃないかしら。お医者さんに診て貰ったほうがいいわよ」
週一は不満らしく、理香はそう言う。
外山はとりあわない。週二回にすれば、理香は週三回を要求するに決まっている。
都心の会社から、国電で五十分。駅からバスで十分。バス停から徒歩五分。乗換え時間や待ち時間を入れると、通勤に片道一時間二十分はかかる。
一日中仕事をして、一時間二十分、満員の電車とバスを乗り継いで、郊外のマイホームにたどりつくと、疲れきってしまって口をきく元気もない。
しかし、理香はそんな事情はまったく無視して、熟れた肌を押しつけてくる。
後輩に誘われて、麻雀を半チャン二回ほどつきあったので、外山がわが家へたどりついたのは、午後十時近かった。
「遅かったのね」
理香は、半分ふくれて、外山を待っていた。
「男にはつきあいというものがあるからね」
外山は背広を脱いで理香に渡し、風呂場に向かう。
「それは分かっているわ。でも、つきあいはほどほどにしないと、体をこわすわよ」
理香はそう言う。自分のおねだりが、夫の体調に及ぼす影響にまでは頭がまわらないらしい。
外山が入浴をすませ、子供部屋を覗いて、ひとり娘の明子の寝顔を見て、夫婦の寝室のベッドに入ると、理香は鼻を鳴らしてすり寄ってきた。
外山は目を閉じて、脳裏に会社の美人OLのあられもない姿を思い浮かべ、どうにか可能な状態になった。
おざなりの愛撫をし、頃合いを見はからって、体を起こし、ひとつになる。
理香は声を出し、息をはずませ、全身を痙攣させて外山をむさぼる。
そんな理香を見ていると、激しいのは女ばかりのような気がしてくる。
子供をひとり生んだ体なのに、理香の胸は二十代といっても通用するほど若々しい。色素の沈着しにくい体質で、乳首も乳輪も、ピンク色に近い色をしている。乳首の先端は、さすがに内側に折れ込んではいないが、全体に小粒で可愛い感じがする。
ウェストもきちんとくびれ、腰のあたりは脂の乗り切った女盛りを象徴するように、大きく張り出している。
自分の妻でなければ、間違いなく外山はのぼせあがったに違いない。それほどいい女である。
顔だって、美人の部類である。目は大きく、鼻筋は通っているし、唇の形だって悪くはない。ちょっぴりおでこが出ているのが、難点といえば難点だが、見方によってはそれだって可愛らしい。
しかし、大きな声を出し、のけぞって無我の境地に遊んでいる理香を見ているうちに、外山は取り残されたような気がしてきた。そうなると、気持ちがしらけてくる。
それは、敏感に体に表われた。
急速に股間のものが力を失ってきたのだ。
「ねえ、どうしたの?」
理香はじれて外山を非難する。
「どうやら、中年の中折れらしい」
外山は醒めた声で言う。
「中年の中折れ? なによ、それ」
理香は泣きそうな声だ。
「つまり、途中でダメになることさ」
「いやよ、そんなの。ちゃんとして」
「ちゃんとならないから、中折れなのさ」
「意地悪ゥ」
「別に、意地悪をしているつもりはない」
「いいわよ。あなたが、しゃんとならないのなら、わたし、浮気をするから。あなた以外の男なら、喜んでわたしの相手をしてくれるわよ」
理香は大胆な言葉を口走る。
「おいおい、無茶はよせ」
外山は慌てた。ほかの男と浮気をされるのは困る。
「だったら、真面目にしてよ」
「真面目にしているつもりなんだけどなァ」
「ちっとも真面目じゃないわ」
理香は唇を尖らせた。
しかし、何と言われても、いったん戦意を失ったものは、容易に元には戻らない。
「あすの朝、明子が小学校へ行ってから頑張るから、今夜は休ませてくれないか」
遂に、外山は白旗を掲げた。
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個人利用の目的以外で複製しますと著作権法違反で処罰されます。
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空には中秋の名月がかかっていた。空気は澄みきっている。しかし、外山誠一の足取りは重かった。
金曜日の夜は夫婦が睦まじく愛を語り合うことになっている。自宅では、妻の理香が、入浴をすませ、薄物のピンクのネグリジェを素肌にまとい、外山の帰りを今や遅し、と待っているはずである。
理香は外山より三歳下の三十二歳。ようやく、女の歓びをおぼえ、毎晩のように求めてくる。
だが、結婚して八年にもなると、外山のほうは理香の体に飽きがきて、そうそう求めに応じるわけにはいかない。
あまりエネルギーを消費すると、仕事に差し支えるし、出世のブレーキになりかねない……。そう言って、愛妻デーは金曜の夜だけ、ということにしている。
「ねえ、三十五歳で週一回というのは少なすぎるわよ。どこかおかしいのじゃないかしら。お医者さんに診て貰ったほうがいいわよ」
週一は不満らしく、理香はそう言う。
外山はとりあわない。週二回にすれば、理香は週三回を要求するに決まっている。
都心の会社から、国電で五十分。駅からバスで十分。バス停から徒歩五分。乗換え時間や待ち時間を入れると、通勤に片道一時間二十分はかかる。
一日中仕事をして、一時間二十分、満員の電車とバスを乗り継いで、郊外のマイホームにたどりつくと、疲れきってしまって口をきく元気もない。
しかし、理香はそんな事情はまったく無視して、熟れた肌を押しつけてくる。
後輩に誘われて、麻雀を半チャン二回ほどつきあったので、外山がわが家へたどりついたのは、午後十時近かった。
「遅かったのね」
理香は、半分ふくれて、外山を待っていた。
「男にはつきあいというものがあるからね」
外山は背広を脱いで理香に渡し、風呂場に向かう。
「それは分かっているわ。でも、つきあいはほどほどにしないと、体をこわすわよ」
理香はそう言う。自分のおねだりが、夫の体調に及ぼす影響にまでは頭がまわらないらしい。
外山が入浴をすませ、子供部屋を覗いて、ひとり娘の明子の寝顔を見て、夫婦の寝室のベッドに入ると、理香は鼻を鳴らしてすり寄ってきた。
外山は目を閉じて、脳裏に会社の美人OLのあられもない姿を思い浮かべ、どうにか可能な状態になった。
おざなりの愛撫をし、頃合いを見はからって、体を起こし、ひとつになる。
理香は声を出し、息をはずませ、全身を痙攣させて外山をむさぼる。
そんな理香を見ていると、激しいのは女ばかりのような気がしてくる。
子供をひとり生んだ体なのに、理香の胸は二十代といっても通用するほど若々しい。色素の沈着しにくい体質で、乳首も乳輪も、ピンク色に近い色をしている。乳首の先端は、さすがに内側に折れ込んではいないが、全体に小粒で可愛い感じがする。
ウェストもきちんとくびれ、腰のあたりは脂の乗り切った女盛りを象徴するように、大きく張り出している。
自分の妻でなければ、間違いなく外山はのぼせあがったに違いない。それほどいい女である。
顔だって、美人の部類である。目は大きく、鼻筋は通っているし、唇の形だって悪くはない。ちょっぴりおでこが出ているのが、難点といえば難点だが、見方によってはそれだって可愛らしい。
しかし、大きな声を出し、のけぞって無我の境地に遊んでいる理香を見ているうちに、外山は取り残されたような気がしてきた。そうなると、気持ちがしらけてくる。
それは、敏感に体に表われた。
急速に股間のものが力を失ってきたのだ。
「ねえ、どうしたの?」
理香はじれて外山を非難する。
「どうやら、中年の中折れらしい」
外山は醒めた声で言う。
「中年の中折れ? なによ、それ」
理香は泣きそうな声だ。
「つまり、途中でダメになることさ」
「いやよ、そんなの。ちゃんとして」
「ちゃんとならないから、中折れなのさ」
「意地悪ゥ」
「別に、意地悪をしているつもりはない」
「いいわよ。あなたが、しゃんとならないのなら、わたし、浮気をするから。あなた以外の男なら、喜んでわたしの相手をしてくれるわよ」
理香は大胆な言葉を口走る。
「おいおい、無茶はよせ」
外山は慌てた。ほかの男と浮気をされるのは困る。
「だったら、真面目にしてよ」
「真面目にしているつもりなんだけどなァ」
「ちっとも真面目じゃないわ」
理香は唇を尖らせた。
しかし、何と言われても、いったん戦意を失ったものは、容易に元には戻らない。
「あすの朝、明子が小学校へ行ってから頑張るから、今夜は休ませてくれないか」
遂に、外山は白旗を掲げた。
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