
砂戸増造 相姦図 姉と弟
目 次
母娘なぶり 邪獣の輪廻
ぼくはママの愛奴 伯母さまはぼくの美贄
魔少女 肉刑の儀式
相姦図 姉と弟
復讐は息子の肉鞭で
淫虐の人妻日記
(C)Masuzo Sado
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母娘なぶり 邪獣の輪廻
1
東京の東郊を走る私鉄K線のH駅に近いスナック・サラバンドは今夜も、若い学生やサラリーマンたちの客で大にぎわいだったが、十五坪の店のオーナーであり、ママでもある松尾美夜子の顔は、この数週間来なぜか冴えない。
二年前、夫を三十八歳の働き盛りに交通事故で亡くし、退職金と保険金で始めたスナックが運よく大繁盛して、やっと中学二年生の娘の美幸と母娘二人のささやかな幸せと、生活のゆとりを楽しめる時が来たというのに、美夜子には夜ごと心を悩ませる、他人には言えない二つのトラブルがあるからだ。
ひとつは、三週間前から夜の十時になると必ず店にかかってくる不気味な電話、もうひとつの悩みは、娘の美幸が学校でいじめの生贄になっているらしいことだった。
美夜子はカウンターのなかの小さな調理台で客の注文のシーフード・ピラフとサラダを手際よく皿とボールに盛りつけながら、フーッと溜息をついて向う側の壁のスペイン製だというアンティークな振子時計を見上げる。
サラバンド(挽歌)という洒落た店名と、この古き佳き時代へのノスタルジアを誘う時計を開店祝いに贈ってくれたのは、美夜子がひそかに想いを寄せる、下町の大衆詩人を自称する三流出版社の編集長で酒の神バッカスを想わせる中年の独身男だった。
――あと五分だわ。ほんとにいやになっちゃう。
毎夜十時には店へ、午前一時には店から歩いて十分のわが家の寝室へ、必ずかかってくるいまわしい電話は、近頃はやりのテレフォン・セックスらしいのだが、年齢不詳の男の声はただ淫らな言葉を囁くだけでなく、美夜子と娘の美幸の二人に、異常に残酷な欲望を抱いていることを、長々と克明に宣告するという、ただの猥せつ電話ではないのだ。
店では多忙なので相手も長話はせずに切ってしまうのだが、家にかかるときは恐ろしさに自分から切ることもできず、つい終わりまで延々と聴かされてしまう。
電話の主は、冷静で巧妙だった。最初は必ず女の声でかけてきて、途中で切ろうとすると、おまえら母娘の身になにか恐ろしいことが起こると脅迫するので、恐怖とおぞましさに呪縛された美夜子のほうから通話を切ってしまうこともできないのだ。
それに最初の数回は耳を覆いたくなるほどうとましいだけだった電話が、一週間も経つと奇妙に心待ちする気分になり三十三歳の女盛りのセクシィな未亡人ママの倒錯的な情感を妖しくくすぐりはじめ、いまでは聞きながら昂奮すら覚えるようになっているからだった。
深夜の寝室へかかる電話は、三十分から一時間にも及ぶので、警察に言えば充分逆探知も可能だが、美夜子はそうしなかった。
もうひとつの中二の娘のいじめの悩みは、美幸は一言も母親にそれらしいことを洩らさないのだが、ほとんど毎日、目を真っ赤に泣きはらしていたり、セーラー服や下着に泥やほこり、ときには少量の血や男女の体液らしいしみまで付着していたり、暗い思いつめた表情をしていたりすることからの、母親の第六感だった。
もうひとつ鳥肌が立つようなおぞましさを感じるのは、この数ヵ月来、美夜子自身と美幸の汚れたパンティや生理用のショーツがひんぴんと失くなり、二、三日して男の体液でべっとり汚れて洗濯物入れに戻ってきたりする不気味な事件の連続だ。
変態男の空巣狙いのターゲットになっているのではと思って、家の玄関と勝手口の鍵をつけ換えもしたが、効果はなくことがことだけに警察へも届けられず、美幸に問いただすこともできず、不安はつのるばかりだった。
十三年前、ある大学病院で病棟勤務の看護婦をしていて、入院患者だった夫に見染められて結婚した美夜子は、三十三歳になったいまも小股の切れあがったセクシィな下町美人だったし、ひとり娘の美幸も両親の容姿のいいところだけを受け継いだ美貌と若々しい肢体の、評判の美人母娘だったから、街の淫魔たちの絶好のターゲットとされても不思議ではない。
今朝も朝食のテーブルで、蒼白くやつれた美幸をいくら問いつめても、バスケット・ボール部のクラブ活動が忙しいとが、ミスが多いとか練習をさぼったりで先輩にしごかれるのだと言う以外、いじめについては頑として認めなかった。
だが美夜子の母親の勘では、娘が陰湿ないじめの生贄になっているという確信があった。中学と高校が併設された私立の男女共学校だから、いじめの加害者は男子生徒かもしれないと考えると、毎夜のいまわしい電話の主が、いじめの当人ではないかとも思え、美夜子を慄然とさせるのだった。
だが高校生にしては老けた声で冷然と落ち着きはらっているし、いくら近頃の中高生がセックスに早熟だとしても、女の体の秘密と、サドマゾ・セックスのパターンやテクニックを知りすぎている。それに男が出る前に必ず話しかけてくる、とり澄ました冷やかな声の中年っぽい女は誰なのだろう? 変態夫婦の刺戟を求める、深夜の声のアバンチュールなのだろうか?
ピラフとサラダを客のテーブルへ運んでカウンターへ戻る途中で電話のベルが鳴り、美夜子をドキッとさせた。
「あたしの友だちだから出るわ」
バイトの学生の玲子に声をかけると、美夜子はカウンターの端の電話に走るようにとびついた。
「やあ、おれだよ、ママさん。待ち遠しかったかい? もう割れ目が淫水でべっちょりなんじゃない? 今夜はいてるパンティを当ててみようか。ピンク色のレースのやつだろ? おれは千里眼なのさ。おれたちもうすぐ会えるんだぜ。美幸と二人で楽しみにしてろよな。二人とも素っ裸にひんむいて、縄で縛りあげて、鞭で尻とおっぱいをこってりなぶったり、針やペンチで乳首とクリトリスを可愛がったりしてから、おれのでか魔羅で、ヒイヒイよがり狂わせてやるよ。じゃあ、また後でな、美夜子」
「ええわかったわ、一時にまた電話して」
必死に声と手の震えを抑えて、受話器をフックに戻しながら、美夜子は重苦しい溜息をそっと吐き出した。電話は夜ごとにおぞましさを増していたが、美夜子の血に潜む邪淫の疼きは、いまでは顔も知らない声の主に熱い歪んだ憧憬と期待さえ感じていた。男が言い当てたレース飾りのあるピンクのショーツの細い股布でギュッと締めつけられた女盛りの秘裂のなかで、硬く充血した恥核が妖しく疼いて、ねっとりした淫蜜にぬらめいている。
「ママさん、ミート・パイとレモンティ二つお願いします」
バイトの大学生の明るい声にハッとわれに返り、トイレに飛びこんで思いきり激しい手淫に耽りたい淫らな衝動をやっと抑えつけると、美夜子はカウンターに入って、冷蔵庫からレモンを取り出した。
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