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ホ ン の 〈 お さ わ り 〉




蘭 光生    美姉妹・犯す

目 次
獣たちの輪舞
引き裂かれた昼顔
尾行の収穫
狼は碧空に散る
内 診
まゆのなかの愛奴
美姉妹・犯す

(C)Kosei Ran

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   獣たちの輪舞

     1

 女が、スカートの裾を乱して、悲鳴をあげていた。
 二人の男が、女の手を両脇から地面に押さえこんでいる。
 女の顔は、美しいだった。
 もがいて、脚をはねあげるたびに、白い太腿の奥がほの白く、男たちの眼を射った。
 ひろゆきは無我夢中でズボンを脱いだ。ブリーフも脱ごうとしたが、なぜか足にからみついてうまく脱げない。焦れば焦るほどからまり、手の動きも自由にならない。
 やっと脱ぎとり、義姉のスカートをめくった。パンティの白さが目にしみる。なんとか脱がして、覆いかぶさった。
 体が、はじめてじかに触れ、暖かい肌のぬくもりを感じた瞬間に、噴出していた。
 そこで、また、眼がさめた。下ばきが、ベットリ濡れている。
(またか……)
 眠い眼をこすりながら、汚れたブリーフを始末し、またベッドにもぐりこむ。
 淫夢は、いつも肌が触れた瞬間に終わりになっていた。挿入感を味わったことはまだ一度もない。雑誌にのっているセックス・コンサルタントの記事によれば、それが正常の淫夢だという。とにかく欲求不満もはなはだしい生理現象であった。
 暗闇のなかで、弘行は大きく眼を見開き、いま夢にでてきた義姉の乱れた白い脚を描いてみた。さっきは、あれほどまでに鮮烈な肉感をたたえていたのに、いま闇のなかに妄想で描く義姉の体は、なぜかたよりげがなく、はかなかった。
 できるだけ淫らな姿態を、義姉にさせながら、弘行は欲情をかきたてるように、義姉の体を凌辱しようとした。しかし、そうすればするほど、義姉の体は非現実的な希薄なものになっていくのだった。
 小さな声で呼んでみた。
さん!」
 その語感が逆に弘行を現実にひきもどし、義姉の幻影は薄らいでいってしまう。眼をつむり、もう一度さっきの夢のつづきを見ることを願いながら、義姉の体を追っていくうちに、弘行はまた深い眠りのなかに溶けこんでいった。
 翌日の放課後、いつものように空手部の部室で稽古着に着がえていると、主将のはなわが入ってきた。
「オッス!」
「オッス!」
 塙は弘行と同じ高校三年だった。
「この前の新年会、おかげで大成功だったな。ありがとう」
「いや、なに」
 塙は弘行に、なんとなくおもねるような口ぶりで、
そうの家は大きくていいな。庭も広いし、部屋数はたくさんあるし。おまえが卒業しちゃうと、後輩の連中、来年から会場探しに頭を痛めるぜ、きっと」
 弘行は黙って、正拳突きの練習をはじめた。
 拳を突きだすたびに、ヒュッ、ヒュッと空を切る音が鋭く響く。
「そうそう、新年会といやあ、先輩の馬場さんがぶったまげてたぜ。おまえんちの姉さんが美人なんで」
「ほう」
「で、馬場さん、近いうちに、おれたち三人だけで、卒業後の後輩の人事やら、年間計画などを打ち合わせたいんだそうだ。それを、ぜひ、おまえんちでやりたがっているんだけど、だいじょうぶかな?」
「おれんとこでなくても、そんなの、サ店でだってできるじゃないか」
「お目当ては、おまえの姉さんさ。ひと目惚れで、もうどうしようもないらしいぜ」
「いくら惚れたって、人妻じゃないか。しかも、義姉さんは、兄貴にぞっこんときてるし。それがまた会えば、かえって馬場さんの傷を深くすることになるんじゃないか?」
「いや、そんなことは百も承知さ。おれだって、馬場さんと想いは同じだ。会いたいねえ、彼女に」

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