ネットワーク上に存在する脅威に対してセキュリティを確保するためには、インターネットにおける通信の仕組みをある程度知っておく必要があります。しかし、この仕組みを理解するためには、ネットワークに関するかなり専門的な知識が必要になります。
なかなか簡単には理解することができないものばかりですが、このコーナーでは、そのいくつかについてできるだけ分かりやすく解説します。
インターネットの仕組みインターネットを一言で表現すると、「コンピュータ同士が、電話回線、無線、光ファイバー、テレビ回線(ケーブルテレビ)などによって結ばれたネットワークの集合体」といえるでしょう。
実際には、各家庭のパソコンや、会社・学校内のコンピュータを結んだネットワーク(LAN:ローカルエリア・ネットワークと呼ばれています)が、プロバイダーを通じてインターネットに接続されています。
例えばあなたがあるインターネットサイトを見る場合には、パソコンの画面上にブラウザーを立ち上げ、目的のサイトのアドレスを入力します(知らない場合には検索します)。入力したアドレスが、クモの巣のように張りめぐらされた回線の中をある約束事に基づいて流れ、やがて目的のサイトにつながります。
このようにして、世界中にあるコンピュータやLANをはじめとしたネットワークが互いに接続され、さまざまな情報がやりとりされています。つまり、あなたのパソコンは、巨大なネットワークの一部になっているのです。

プロトコルとは、本来は「外交上の儀礼」といった意味ですが、コンピュータの分野ではデータをやりとりする上での約束事やルールと理解してください。ですから通信プロトコルは、「通信をするために必要なルール」ということになります。
インターネットは、世界中の無数のコンピュータがつながっているというのが大きな特徴です。それらのコンピュータのメーカーやOSはさまざまで、通信のルールもばらばらです。そんなもの同士が通信をしようとしても、決してできるものではありません。ではどうすればいいでしょうか。
例えば、日本語しか話せないAさんと、英語しか話せないBさんの間では会話が成り立ちません。どちらか一方が他方の言葉を理解するようになれば、この問題は解決されます。
これと同じように、異なるコンピュータ同士でも通信ができるようにしようと決められた統一の規格が『通信プロトコル』なのです。Webを見るときに使うHTTP(Hypertext Transfer Protocol)、メールの送信に使うSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、ファイルの送受信に使うFTP(File Transfer Protocol)などは、インターネットでよく利用する通信プロトコルです。
ページの先頭へ戻る世界中のどこのコンピュータとも確実に通信するためのルールがあることは理解できたと思います。それでは、あなたが今使っているコンピュータは、ほかのコンピュータからどのようにして識別されるのでしょうか。
つまり、あなたのコンピュータの居場所はどのようにしてわかるのでしょうか。そして、このいわばコンピュータの住所ともいうべきものを、自分以外の人にどう伝えればいいのでしょうか。また、世界のどこにいるか分からない相手の住所を見つけ出すためにはどうしたらいいでしょう。この住所にあたるのがIPアドレスです。IPアドレスは通信相手の住所を特定するために必要ですので、原則としてコンピュータ1台に1つが必要です。あなたが今使っているコンピュータにもIPアドレスがあります。
ところで、私たち人間にとって数字の羅列は憶えにくいものです。そこで考えられたのが、「ドメイン名」というものです。
数字の羅列でしかないIPアドレスに意味をもたせた名前にして、もっと分かりやすくしたわけです。日常私たちが電子メールやホームページを閲覧するときには、このドメイン名が含まれたアドレスやURLを頼りにするのですが、その裏でコンピュータはドメイン名をIPアドレスに変換して通信を行っているというわけです。