高い的中率――それゆえに、「人心を惑わす」とされ、唐代に研究・使用を禁じられた占いがあります。
その占いとは、
「七政四余(しちせいしよ)」。
七つの実星と四つの仮想天体の動きから、さまざまな事象を占う占星術です。
複雑な計算で導かれるホロスコープ――星宮図(せいきゅうず)には、十二長生(じゅうにちょうせい)や二十八宿(にじゅうはっしゅく)、多数の神殺(しんさつ)などが書き込まれ、中国占術の要点が凝縮されています。そのため、読み解くには広い知識と経験を要し、使い手も限られていました。
また、唐代に禁止されて以来、七政四余から紫微斗数や四柱推命が派生し、占術の主流となっていったと考えられています。
現在では、残された文献も少なく、本場の中国でもその存在自体を知らないという人がほとんど。日本にあっては、かなりの占い通でもその全貌を把握している人はいない、幻の占星術なのです。
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